大矢氏(1938年生)はNHK出版に入社し多くの美術図書編集に携わる。
退官後、日本の作家、美術評論家、研究者、日本画家。

今回の作品展は、奈良県立万葉文化館(2001年開館)所蔵品の中から30点を精選し展覧したものです。
当代随一の日本画家154名が万葉集からインスピレーションを受けて描いた作品群は視覚とともに
万葉集の世界へ私たちを誘ってくれます。

大矢氏は万葉文化館の総合プロデューサーで、有名画家たちとの交渉、万葉文化館の開館など
全てに携われました。

二階の「陪審法廷」へ行く階段と 窓の外には「聖燈」が常に点っています

画題 (はぎの頃)

画題   (桃苑)

万葉歌

「ももしきの 大宮人は 暇(いとま)あれや
     梅をかざして ここに集(つど)へる」

画題 (野遊)

      大矢先生と福井篤子さん            みんなで交流会館の食堂でランチ

その後大矢先生著書の「田中一村」や「安野光雅」画集を拝見しお話もはずみました。
大矢先生は奄美大島の田中一村美術館の顧問、安野光雅美術館の館長をされていて
万葉文化館を含めこれら3館を開館されました。




大矢先生には各作品について、詳しく興味深い解説をしていただき、助手の福井篤子さんも少々補足してくださり
有意義で楽しい時間を過ごしました。

桐蔭学園アカデミウム












上の絵は2歳下の弟、大矢十四彦氏作
の日本画






モチーフとなった万葉歌

「天皇(すめろぎ)の 御代栄えむと 東(あずま)なる
  陸奥(みちのく)山に 黄金(こがね)花咲く」

画題   (大伴家持)(おおとものやかもち)

大矢鞆音氏

日本画でみる万葉集

その後降りしきる雨も強まり、希望者のみ日本に2つしか現存しない陪審法廷を見学しました。
旧横浜地裁の東洋一の陪審法廷を、平成13年に移築、復元したものです。

6月15日  於 桐蔭学園アカデミウム

講師  大矢 鞆音(おおや ともね)氏

今回の30作品のうち下記の3作品が梅花を描いた日本画,

万葉時代には梅は白梅のみで紅梅は平安時代から。

万葉歌

「石竹花(なでしこ)が 花見るごとに 
  少女(おとめ)らが 笑(え)まひのにほひ 思ほゆるかも」

画題   (撫子)(なでしこ)
  

部分画

モチーフとなった万葉歌

「明日香川 黄葉流る
 葛城の 山の木の葉は 今し散るらむ」

万葉歌

「明日香川 行き廻る丘の 秋萩は
     今日降る雨に 散りか過ぎなむ」







万葉歌  「令和」の元となった和歌

「初春の(れいげつ)にして 気淑(きよ)く風(やわ)らぎ
    梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)をひらき
      蘭は はいごの香を薫(かおら)す」

画題   (梅花粧)