激動する世界 2つの危機の行方

2018-5-9

ゲスト  佐々木 伸 氏


当協会のメンバーで、永年国際情勢を専門として来られた佐々木氏に、直近の情勢についてご講演頂いた。

 

2つの危機とは、(1)北朝鮮の非核化の問題、(2)イランの核合意の米離脱問題。

 

当日は年一回の移動例会で、藤が丘のイタリアンレストランでおいしいランチを35名の会員で楽しんだ後
佐々木さんのお話を聞きました。とてもアットホームな雰囲気で、いい異文化勉強会でした.

(1)北朝鮮の非核化の問題

 

金正恩労働党委員長が、昨日一昨日、突如訪中し、習近平国家主席と中朝首脳会談。3月下旬の会談に次ぐ2回目。今日は、日中韓首脳会談(安倍首相、李克強首相、文在寅大統領)。これに引き継ぎ、開催される見込みの米朝首脳会談と、状況は激しく動いている。

 

その各国の思惑、今後の進展の可能性について、綿密な分析から、分かり易く先行きの可能性を解説頂いた。

 

(2)イランの核合意の米離脱問題

イランの核合意は、イランが15年間、核兵器に転用できる、核物質を生産しないなどの制限の見返りに、経済制裁を解除すると言う合意(2015年、米英仏独中ロ6カ国とイランの合意)。

これに対し、トランプは、「この合意では、イランは制限はあるものの、核開発を続けられる。15年経ったら核兵器を生産できる。これは欠陥合意だ。米国はこれから離脱する」と、昨日遂に表明した。

 

これにより中東が俄かに緊張してきた。米国が経済制裁を再開するとイランの反発は避けられず、またトランプの性格から、何をしでかすか分からない(例えば軍事行動)

 

これに伴う世界経済、日本経済への影響などなど。欧州、イスラエル、サウジ、日本、北朝鮮など複雑に絡んだ各国の思惑も含め、分かり易く今後の行方の可能性を解説頂いた。

 

  いずれにしろ、この緊 迫した世界情勢の趨勢を、トランプという、たった一人の大統領に
  委ねられて しまっている現状を、強く印象付けられた。

 
 短い時間に非常に中身の濃いご講演であった。